古野のブログ
「志望動機は意味がない」
2016.04.01
日本の新卒採用の仕組みは、世界から見てもガラパゴス化していて、その〝化かし合い度〟は馬鹿らしいと思いますが、それなりに仕組となっている以上、今更言っても仕方ありません。
ただ、面接のやり方、進め方はどうなのか? これは議論の余地はありそうです。
先日「新卒採用の面接」で「志望動機を聞かない」ことが日経のトレンドニュースになっていました。
「えっ、今更?」…。ニュースになるほど、過去の「当たり前」が今も当たり前として運営されてきいていたのです。だってそうでしょう。入社試験に来た人に志望動機を聞けば、皆さん準備してきた〝正解〟を述べるに決まっています。そんなことを聞いて何を知りたいのでしょうか?
ある中堅企業は最終面接に社長が登場します。
社長の面接では必ず志望動機を聞くそうです。そして「うちへの志望動機が弱いから駄目」という判断をするのです。それで、人事担当者から「社長を説得して欲しい」と頼まれたことがあります。知名度もない会社なので、採用担当者は、学生たちを何とか動機づけて引っ張り上げてきた経緯があるのです。この社長、世間知らずもいいところですよね。自社に知名度があると思っているのでしょうか?
つまり、社長には自分がこの会社を育て上げてきたという自負があるのでしょうが、学生から見れば、所詮中堅中小企業でしかなく、第一志望は大手企業であり、滑り止め程度のはずなのです。採用担当者は、限られた時間で精一杯会社の魅力を伝えて動機づけてきたはずなのです。この努力を一瞬にして無駄にしているのです。
もし、志望動機を聞くなら、なぜそう考えるに至ったのか? どうせ模範解答を用意してくるでしょうから、事前に準備してなかったレベルまで「なぜ、なぜ」で掘り下げてみましょう。
想定外の質問に〝固まる〟のか、〝開き直る〟のかで、個性が少し垣間見えてきます。意図的に圧迫する面接はよくないですが、やりとりの中から準備していないレベルまで問いかけることで、個性が見えてくることと、追い込まれた時の対処能力を推し量ることはできるのです。
決して「これからしたいこと」を聞いて、すぐに納得して、「いいね」と評価しないことです。