古野のブログ

今年の抱負 「鳥瞰しよう」

2017.01.05

新年 あけましておめでとうございます。

さて、今年はどんな年になるでしょうか?
世界情勢を見ると、「自国が大切」と内向きな政策を打ち出した人が民衆の評価を得て、各国のトップになる流れがあるようです。
確かに、なんとなく元気がなくなってきた時に、「世界を見渡そう」と評論家たちは言いますが、多くの人は「目の前の現実」の方が大事であり、「自分たちの利権を守ろう」というメッセージは心地よいものです。

企業も同様に、現場が元気のない時に、経営トップが「全体最適を考えろ」と言っても、現場の長からすれば、最終的に結果を問われるのは「部門の成果」なので、まずは〝我が身大事〟とばかり部門最適化を優先してしまうのです。
つまり、世界規模における政治の話も企業レベルでも、全体視点と部門視点では、短期的には利害が対立することがあり、余裕がなければないほど部門視点になりがちなのです。

さて、企業レベルの話に絞っていきましょう。
例えば、各部門がエース級の人材を囲い込むことは多々あります。ジョブローテーションで他部門への異動の話があっても、出したくない。全社的な横断プロジェクトに推薦するのはエース級ではなく、次点の人材であったりします。
余裕がなければないほど、エース級を中心として現体制を固めていくのです。

ある営業系の会社では、2年連続で営業成績トップの若手が急に辞めてしまいました。人事部門は部長に一度「彼は辞めるかもしれませんよ。異動も視野にいれませんか」とアラームを発したそうです。しかし、部長は「そんなことはないだろう。バリバリに結果出しているし、評価は最高レベルをつけているし」とけんもほろろな対応だったのです。
別の企業では「横断プロジェクトが上手くいっていない」と相談がありました。「人選が大切ですが、どんな人材を集めましたか」と問うと「現場からエース級を出してもらえなかった」と返答してくれました。

部門長が「エースを留めておきたい気持ち」「今の体制を維持したい」という気持ちは理解できます。現場が厳しいなら尚更です。しかし、全社の最適化であったり、その部門のチーム力の向上、若手の台頭のためにも今活躍している人材を出し、異質な人材と入れ替える掻き回しで、〝新陳代謝〟を促すことが必要なのです。

我々の知見では、自己完結して閉じている組織は、短期的には合意し易いメリットがありますが、長期的には疲弊して生産性を下げます。逆にオープンな組織は様々な人材が集まり、意見も多様になりがちで、共有するには時間がかかるというデメリットがあります。しかし、長期的には相互に補い合うような化学反応が発生し、組織力が高まるメリットがあるのです。
余談ですが、イノベーションを求める企業は少なくないでしょうが、複雑系研究においては、「創発性は混沌の淵から生まれる」という指摘があります。変革や改革を求めるのであれば、実はオープンな組織=『解放生態系組織』が必要なのです。

さて、前段で余裕がない状態で短期的には「全体と部門では利害が対立する」と申しましたが、長期的な視点に立ち人の流動化を促すことで、人が育ち、チーム力が高まり、それが全体へ波及するため利害は一致します。

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だからこそ、早め早めに全体最適を目指す取り組みが必要になるのです。
そこに本来の「あるべき人事部門の姿」が見えてきます。

全体最適を目指して、酉年だけに、鳥瞰していきたいものです

今年も、辛口なメッセージで生産性の高い組織作り、人事部門改革に貢献できればと願っております。お付き合いいただければ幸いです。

皆様にとって良い年になりますように。

株式会社ヒューマンロジック研究所 代表取締役

古野 俊幸(ふるの・としゆき)

関西大学経済学部卒。
新聞社、フリーのジャーナリストなどを経て、1994年、FFS理論を活用した最適組織編成・開発支援のコンサルティング会社・CDIヒューマンロジックを設立。
CDIヒューマンロジックのホールディングカンパニーとして、1997年に株式会社イン タービジョンを設立し取締役に就任。2004年4月からインタービジョンの代表取締役に就任。その後、社名変更を経て、現職。
現在まで約600社以上の組織・人材の活性化支援をおこなっている。チーム分析及びチーム編成に携わったのは,40万人、約60,000チームであり、チームビルディング、チーム編成の第一人者である。

A 14  B 10  C 15  D 17  E 4

使命感、決断力をもって、有事に変革を推し進めることを得意とする。組織先導型。

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