古野のブログ

人は機械じゃない

2018.06.14

顧客先で、「一人ひとりの個性を活かそう」という全社的な取り組みが始まり、社内でワークショップを開催しながら、フィードバックをしてもらっています。
それをオブザーブしに出かけた時、以前からよく知っている女性から相談がありました。
彼女は受容性と保全性が高く、今は総務兼役員秘書をしています。
 「私はなんとか役に立とうと頑張っているのに、役員はそのことを理解してくれません」
二度ほど「私は役員秘書に向かないので、異動させて欲しい」と直接伝えたら「僕は向いていると思う」との返事だったようです。
二度目はさすがに頭に来て「それなら、たまには褒めるなど、評価してくれてもいいじゃないですか?」と伝えると
「僕は、仕事に感情を持ち込まない主義なので」と返事をしたそうです。
その担当役員は弁別性が高いのです。

FFS理論は編成理論として研究されたものですが、元はストレス学をベースにした理論です。つまり生理学、大脳生理学を基礎として、個々のストレッサーを特定することで5因子に辿り着いています。従って、どんな時に「心地良い」とか「不快」とか。判断する上での状況であったり、闘争心が出る環境(守るためか、攻めるためか)、さらに動機づけられるのか、等々がわかります。人は機械ではない証拠がたくさんあるのです。
つまり、その人のFFSデータを知ることで、相手がストレスを感じず、動機づけられる言葉や状況を作り出すヒントがたくさん得られるのです。

「人を観て法を説け」という格言があります。
FFS理論を全社展開していただいているS社では
「人によりストライクゾーンは違う」
「『E言語』『D言語』を使おう」(言語とは因子毎に響く言葉という意味)
というフレーズでFFSを浸透させてくれています。

相手のストライクゾーンで会話をするということは、「伝わりやすい」「不安にしない」「動機付けもしやすい」ということです。つまり対人コミュニケーションがより円滑になり、能力アップできるということです。

この役員に話を戻すと、本人の〝主義〟が会社の方針にズレていれば、「自分勝手」な行動ですし、ましてや役員という立場で考えるなら、『社員にとって良いことは、なんでもする』ことが求められるのではないでしょうか? 全社での浸透も進めていくところですし。

彼女はたまにお菓子を買ってきて、職場の皆で食べたり、役員におすそ分けしてるようです。

受容性は「役立っていること、貢献を認めて欲しい」そして「構って欲しい」のです。
「○○さんだと、たまにお菓子でも買って来てくれて『いつもありがとうね。感謝の気持ち』なんて言われると凄く嬉しいよね」と言うと、彼女は「そうです。そんなことしてくれると一生支えますよ」(笑)
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この会社は「現場が稼いでいる」こともあり、現場への手当が多いのです。その理由をトップはこう説明します「現場手当は、現場社員とのコミュニケーションを深めるために手当分全額を使え。そのため多く出している」と。あえて「役員の報酬分は、組織全体を鼓舞するために使え」と言い換えたくなりますね。でも〝個性を鼓舞する〟言葉を使ったり態度をするだけですから、ほとんどお金がかからない取り組みでもあります。

人は機械ではありません。感情の動物です。その感情も一人ひとり違うのです。
一人ひとりを知りましょう。そして、その一人ひとりのストレッサーや動機付けも知りましょう。ただそれを無手勝流にすると大変です。経験値がモノを言い、「能力がある/ない」で片付けられてしまいます。

個性を知り〝コミュニケーションの達人〟を目指しましょう。

株式会社ヒューマンロジック研究所 代表取締役

古野 俊幸(ふるの・としゆき)

関西大学経済学部卒。
新聞社、フリーのジャーナリストなどを経て、1994年、FFS理論を活用した最適組織編成・開発支援のコンサルティング会社・CDIヒューマンロジックを設立。
CDIヒューマンロジックのホールディングカンパニーとして、1997年に株式会社イン タービジョンを設立し取締役に就任。2004年4月からインタービジョンの代表取締役に就任。その後、社名変更を経て、現職。
現在まで約600社以上の組織・人材の活性化支援をおこなっている。チーム分析及びチーム編成に携わったのは,40万人、約60,000チームであり、チームビルディング、チーム編成の第一人者である。

A 14  B 10  C 15  D 17  E 4

使命感、決断力をもって、有事に変革を推し進めることを得意とする。組織先導型。

>> FFSとは?

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