古野のブログ

ウェットになる合理とは (「人は機械じゃない」 結果的に続編)

2018.07.04

前回、「仕事に感情を持ち込まない主義」の弁別性の高い役員の話を紹介しました。
丁度、セプテーニ・ホールディングスの人的資産研究所でユニークな研究の論文が発表されました。弁別性が高いと「感謝を伝えつつ人間関係を構築していくことが苦手」「ドライに仕事をし易い」と。まさに、その事例だったのです。
その論文を紹介しつつ、活躍していくためのヒントを紹介していきたいと思います。

この論文は、「活躍する人材」と「離職が少なく定着率が高い組織は」という研究から、共に『人間関係作りが上手な人材』『人間関係が良い』(第一弾としての研究成果)という結果から、「ネットワーク指標」※後述 を用いて、どのような人が、あるいはどのような職場が、良好な人間関係を築くことができているのかについて研究を行ったものです。ご興味ある方、詳しく知りたい方は http://www.septeni-holdings.co.jp/hcreport/
※ネットワーク指標とは
1.Page Rank(多くのネットワークを持つ「有力者」とつながる傾向がある)
2.次数中心性(メッセージの送信数)
3.拘束度(特定のコミュニティの人など、限られた人としか繋がっていない傾向)
ということです。

論文では、活躍する人材や定着率の高い組織の傾向も明記されていますが、今回のブログでは弁別性の高い人へのヒントになればと思っています。

これまで関わった人材の中で弁別性が飛び抜けて高いにも関わらず、かなり‟ウエットな人材”がいます。急成長している企業に新卒で入社して企業の成長と共に本人も成長し、グループ子会社のトップになった30代のH氏です。
彼は弁別性が18と一因子だけが飛び抜けて高いのです。彼は会議や意思決定においては、極めて冷静で合理的な判断をしますが、人との付き合いでは感謝を伝えたり、語る場を重視したりとかなりウエットな対応をします。特に部下や仲間との飲み会では、一番羽目を外してまず開襟する人材です。
「アホに振る舞って皆が気分良くなれば、いいじゃないですか。結果的に‟裸の付き合いが出来れば”仕事はやりやすくなりますから」
彼の新人当時の上司は、浪花節流のマネジャーでした。彼のドライな態度に対して容赦なく突っ込みました。連日飲み会に連れ出しては「場を盛り上げろ」と指示。知らず知らずに盛り上げる‟芸”が身についたのです。
その体験から学んだことが、仕事はまず「人間関係を作る」だったのです。そのため‟ウェットにすることで関係を作れる合理性”に目覚めたようです。
つまり「ウェット」は彼流の合理的なマネジメント法だったのです。
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FFS理論は「強みを活かすこと」を主眼にしています。例えば受容性が低く、「面倒見の良さや寛容さに欠ける」から、受容性を高めよう(ディストレスになる)ではなく、強い因子=今回は弁別性を活かして、『合理性の中身』に「優しくする合理」「ウェットな態度の合理」を組み込むことなのです。
『行間を求めている相手』に、業務一辺倒でなく‟感謝”(心情)を行間として用意することなのです。

そのためには、社会人になって早い(若い)段階で、義理や心情が絡む理不尽さ、人間関係の魑魅魍魎を味わうことでしょう。「理」だけでは片付かない世界がある、否、こちらの世界の方が広いということを肌身で体験し、頭だけで短絡的に二律に分別せずにどっぷりと浸かった上で「さもありなん」と抜け出すことでしょう。
別の言い方に変えると〝清濁併せ飲む〟ですね。〝止揚する〟ともいいますね。
つまり、視座を上げることなのです。

株式会社ヒューマンロジック研究所 代表取締役

古野 俊幸(ふるの・としゆき)

関西大学経済学部卒。
新聞社、フリーのジャーナリストなどを経て、1994年、FFS理論を活用した最適組織編成・開発支援のコンサルティング会社・CDIヒューマンロジックを設立。
CDIヒューマンロジックのホールディングカンパニーとして、1997年に株式会社イン タービジョンを設立し取締役に就任。2004年4月からインタービジョンの代表取締役に就任。その後、社名変更を経て、現職。
現在まで約600社以上の組織・人材の活性化支援をおこなっている。チーム分析及びチーム編成に携わったのは,40万人、約60,000チームであり、チームビルディング、チーム編成の第一人者である。

A 14  B 10  C 15  D 17  E 4

使命感、決断力をもって、有事に変革を推し進めることを得意とする。組織先導型。

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