古野のブログ

リモートワークで思うこと 「ストレスと上手く付き合う方法」

2020.04.24

 今回、時間が少し出来たので、ブログを書こうと過去を振り返りました。なんと約10か月の間が空いていました。久しく書いていないとは思っていましたが、10か月とは…。とホホホ、ですね。
 
 当社も4月からリモートワークに切り替えていました。今週で4週目に入っています。早期に取り組まれた会社では2か月~3か月目を迎える会社もあります。最近のユーザーからいただくメールの冒頭には、ほぼリモートで仕事中とあり、その後「我慢」、「疲れた」、「きつい」、「辛い」が並びます。
FFS理論はストレス学をベースにした理論ですので、皆さんのストレス対策の参考にしていただければと、久々に筆(キーボード)を取りました。
「ストレス」は元々「刺激とそれを戻そうとする応力」のことです。「適度な刺激」(ユーストレス)は必要なんです。従って、「耐える」のではなく、しなやかに「受け流す」ことです。上手く受け流して『ユーストレス』にしていきましょう。

 今皆さんが感じているストレッサーは何でしょうか?
FFS理論を学んでいただいた方々はご存知でしょうが、個人毎にストレッサーは違うのです。従って、対策も個別になります。その辺りを理解していただき、役立てていただければと思います。

例えば、

1.自粛要請を勝手に解釈して出歩いている人に腹立たしく思うと同時に、自分は何も出来なくて不甲斐なさを感じている
2.いつものように周囲に仲間がいないため、自分の貢献や存在を感じにくい(何となく疎外感を味わっている)
3.曖昧な情報や定義されない言葉が錯綜して、判断基準もバラバラ。全体の施策に対して理不尽さを感じる
4.リモートワークを最初は楽しんでいたが、最近はつまらない。刺激が少な過ぎる
5.いつまでこの状態が続くのか、先が見通せないことが不安。ついつい孤独を感じてしまい辛い

 どれか、心当たりはありましたか?
実は、これはFFSの因子別のストレッサーを書いたものです。上から順番に言えば、1=凝縮性、2=受容性、3=弁別性、4=拡散性、5=保全性です。

ここでFFS理論の因子を整理してみました。※FFS診断結果をお持ちの方は、照らし合わせてください。

凝縮性=「こだわりの強さ」「正義感」「礼儀正しさ」が特徴です。
この状況下において「不本意さ」や「不甲斐なさ」を感じやすいです。
受容性=「面倒見の良さ」「柔軟さ」「優しさ」が特徴です。
この状況下において「人に会うことが駄目」「役に立ててない」「周囲の反応が見えない」ことに葛藤を感じやすいです。
弁別性=「合理的判断」「白黒はっきりとわける」「最短」が特徴です。
この状況下において「情報が氾濫している割に的確ではない」「社会が感情的になっている状態」に対して「理不尽さ」を感じやすいです。
拡散性=「自在に動きたい」「ゼロ発想」「脈略がない」が特徴です。
この状況下において「行動が制限される」「日々変化を生み出しにくい」ことで、「面白くない」と思いやすいです。
保全性=「出来るないことをなくす」「丁寧」「きちんとする」が特徴です。
この状況下において「先の見通しが立たないこと」「近くに仲間がいなくて孤独を感じる」「気分が落ち込んでいる」ことで、「不安」を感じやすいです。

この中でも、日本人の平均では、受容性と保全性が高く出ています。この二つの因子のストレッサーをまとめてみると、
「人に会えない」「周囲の反応が見えない」「近くに仲間がいなくて孤独を感じる」となります。つまり〝リモートワーク特有の環境〟そのものがストレッサーになるのです。

では、これまでの我々の「コミュニケーションの取り方」はどうだったでしょうか?

日本人の平均値では先ほど示した通りに受容性と保全性が高いです。「何事も受け入れて、改善しつつ安定的に維持していこう」となりやすいのです。反論、反発や疑問を投ずるよりも、お互いが慮って「ああ、そういうことですよね」「何とかしましょう」というやりとりで成り立ってきました。つまりお互いが「共感すること」を通じて『暗黙の了解』となるのです。お互いのコミュニケーションの仕方も明確に伝えるのではなく、顔を見やって「意味するところわかるよね」「そうですよね。わかりました」と「阿吽の呼吸」なのです。「ノンバーバルコミュニケーション」が上手く機能していたのです。
「ノンバーバルコミュニケーション」とは「非言語コミュニケーション」のことで、「言語」以外の情報を参考に相手とコミュニケーションを取ることです。例えば「表情」「声」「仕草」などの情報で、相手の気持ちを推し量るものです。日本の会議は、この顔色を読む〝非言語〟(最近では「忖度」)が多いのです。だからこそ、逆にモノ申す人を「KYな人」と呼んで、嫌うのです。
それはこの二つの因子にこんな特徴があるからです。
「何事も頷く」「温和な表情をしている」受容性
「ニコニコと頷いてくれる人かいるだけで、安心出来た」保全性
「顔色や変化を観察している」受容性
「正面から相手の顔をまじまじ見ることがある」保全性

受容性・保全性の高い日本人は、上記の特徴から〝ノンバーバル〟で推し量ることで「お互いの存在を感じる」「共感し合える居心地の良さ」を感じていたのです。
しかし、リモート会議では「表情」「声のトーン」「仕草」まで感じられず、さらに淡々とした進行になりがちで、受容性や保全性の人にとってストレッサーなのです。つまり、『在宅業務という環境』に加えて『リモート会議』もストレッサーになっていると考えられるのです。

ちなみに、「リモート会議」は時間的、人数的な制約もあり、これまでリアルでおこなわれていた会議よりも生産性が問われます。非言語ではなく、言語がモノ申すのです。
とすると、
「決めにかかる進行」 凝縮性
「誰かがしゃべっていても、持論を述べたい時は、つい口を挟む」 拡散性、凝縮性
「興味あるところしか見ていない(他の人の動向を気にしていない)」 拡散性

 リモート会議では、この因子が主導権を握りやすくなります。

実際に、私は何度もリモート会議を実践していますが、拡散性と凝縮性が議論を引っ張り、あえて指名しない限り保全性の高い人が一言も発しないことは何度もありました。

では、因子別の疾病の傾向をお知らせします。
これは小林博士の研究の一環としての情報ですが、医学的な検証を十分に経た訳ではありません。あくまで一つの傾向ですので、「参考情報」とご理解ください。
A=循環器系、神経系、呼吸器系
B=消化器系(胃腸)、中枢神経系、性腺系、免疫系
C=中枢神経系、自律神経系、免疫系
D=免疫系、中枢神経系
E=消化器系(得に大腸)、内分泌系、自律神経系
ちなみに、私はDCAですが、今回は中枢神経系と自律神経系に若干影響が出ました。

では最後に個人で出来る対処法を紹介します。これ、かなり限定的なことに絞っていますので、ご了解くださいね。

A=凝縮性 自粛を「正義」として徹底する。極力テレビは見ない
      〝勧善懲悪〟の映画やドラマに集中
      哲学書、大家の作品と出会う
B=受容性 同僚や友人、仲間に対してリモートで発信する/受信する
      ボランティア的活動に参加、リモート飲み会
C=弁別性 レシピ通りに作る料理、ゲームの攻略
      読書
D=拡散性 生活にメリハリをつける、自粛の意味づけ直し、
     バーチャル筋トレ、一人黙々散歩
E=保全性 不安なことの共有、仲間との雑談、ゲーム
     リモート飲み会

ちなみに、「リモート雑談」は、かなりお勧めします。我々も試してみましたが、効果はありました。実は「雑談に関する有効性」に関して、こんなデータがあります。
「グレートカンパニー」(リッチ・カールガート著)では、『雑談が生産性を向上させる』と紹介がありますし、ある企業では社員にアンケートを取った結果「83%が効果・効用がある」というデータを紹介しています。某メーカーの研究開発部門では「喫煙ルームでの雑談が新しいヒントを生み出す場だった」と回想した人もいました。

折角の機会ですから、社員同士であるにも関わらず、日頃あまり話をしていない人同士の〝リモート雑談〟をお勧めします。その際、「同質グループ」「異質グループ」と、組み合わせを変えて取り組んでください。新しい人的ネットワークが築けて、『アフターコロナ』でも業務にも役立つでしょう。

さらに、小林博士からのアドバイスです。
『“コロナ期間”を如何に有効に使えたかで、“コロナ明け”の心的体力の大きな差が出ると考えています。子供の夏休み明けの成長差と同じですよ』。

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「STAY HOME」
自粛を徹底して、早く世の中を回復させましょう。
皆さんがストレス対策をされて健康で過ごせますように。

株式会社ヒューマンロジック研究所 代表取締役

古野 俊幸(ふるの・としゆき)

関西大学経済学部卒。
新聞社、フリーのジャーナリストなどを経て、1994年、FFS理論を活用した最適組織編成・開発支援のコンサルティング会社・CDIヒューマンロジックを設立。
CDIヒューマンロジックのホールディングカンパニーとして、1997年に株式会社イン タービジョンを設立し取締役に就任。2004年4月からインタービジョンの代表取締役に就任。その後、社名変更を経て、現職。
現在まで約600社以上の組織・人材の活性化支援をおこなっている。チーム分析及びチーム編成に携わったのは,40万人、約60,000チームであり、チームビルディング、チーム編成の第一人者である。

A 14  B 10  C 15  D 17  E 4

使命感、決断力をもって、有事に変革を推し進めることを得意とする。組織先導型。

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