古野のブログ

出版企画特別号

2020.06.09

6月12日に「宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らない あなたの強み」が上梓されます。

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FFS理論を、より実践的に理解していただくために漫画「宇宙兄弟」の登場人物をFFSで分析して(作家の小山さんに了解いただいています)、彼らの葛藤や解決方法、人間関係の構築をFFS理論で紐解いていこうと取り組んだ、『FFS理論解読本』という位置づけです。

 

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凝縮性・拡散性キャラ 弁別性・受容性キャラ 保全性キャラ

この企画は、FFS理論のユーザーでもあるコルクの佐渡島さんとのコラボレーションで実現しました。
本書にも「寄稿」していただきました原稿を、ここで紹介します。
ご興味いただければ幸いです。

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「宇宙兄弟」にスーパーマンは出てこない
企画プロデューサーの佐渡島庸平さん(コルク代表)
「宇宙兄弟」初代担当編集者

物語を紡ぎ出すとは、どのような行為なのか。
多くの読者は、手に汗を握るハラハラするストーリーを生み出すことが、作家の才能だと思っているだろう。もちろん、ストーリーテリングも作家にとって、大事な資質の一つだ。
しかし、それよりもずっと大事なことがある。キャラクターを生み出すことだ。そして、そのキャラクターをリアルに描くことだ。「確かに、こんな人いるよなー」そんな言葉を読者がふと漏らしてしまう。それが、作家が目指していることだ。
しかし、そのようなリアルなキャラクターを作り出すのが難しい。例えば、几帳面な遅刻しない準備をしっかりする人がいたとする。その人が、しっかりと準備をする場面ばかりを描いていても、驚きも何もない。だから、面白くならない。そんな人が、全く準備もできず、大遅刻をしてしまった。さて、どんな反応をするのか。その人ならではの反応をすると、それだけで面白いシーンになる。そのぴったりの反応を見つけるのがすごく難しいのだ。
『宇宙兄弟』の小山宙哉は、人を観察し、再現するのが本当にうまい。自分とは全く似ていないタイプの人もすごくリアルに描く。どうしたらそのようにキャラクターを描けるのか? 僕が育成している新人へのアドバイスをお願いした。
多くの作家は、登場人物の設定表を作る。すごく詳細な履歴書のようなものを用意する人もいる。小山さんは、そのようなものを一切作らない。逆に、そのようなものがあると、そこで用意した設定に縛られて、リアリティを失ってしまう。
小山さんは、キャラクターに「出会う」ことを意識する。キャラクターのイラストと名前が決まる。そうすると、その人と初めて会った気持ちで対峙する。そして、もっとその人をよく知るためには、どうすればいいのだろうか? この人をもっと知りたいと考えて、その人をどんな環境に連れていき、どんな出来事を経験させるといいだろうかと考えるらしい。
そんな風にして生み出された『宇宙兄弟』は、小山宙哉による、様々な人々の観察記録と言えるかもしれない。だから、現実のように様々な人が登場する。誰も悪い人はいない。強みが違い、価値観が違い、ストレス状態が違うだけなのだ。

『宇宙兄弟』のキャラクターがリアルだとして、なぜ僕は『宇宙兄弟』とFFS理論を組み合わせて、チームビルディングの本を作りたいと思ったのか。
コルクという2012年に僕が創業したクリエイターのエージェント会社は、率直にいうと停滞していた。社員が20人を超えたあたりから、組織としてのパフォーマンスが上がっていかない。悩んでいた僕が出会ったのが、FFS理論だった。人の能力は、絶対値ではなく、チーム構成で決まる。それはすごくしっくりくるし、僕の作り上げたい組織文化とフィットしていた。
『宇宙兄弟』にスーパーマンは出てこない。みんなが違う能力を持って、協力し合わないとプロジェクトを成し遂げることができない。宇宙飛行士は、ロケットの技術者、管制官などなど、たくさんの人の協力をあおがなければ宇宙にいることができない。そして、宇宙飛行士、技術者、管制官、みんな求められる能力が違う。違うタイプの人たちが協力し合わないといけない。
FFS理論で同じ因子の人たちが集まると話が通じやすくて、居心地がいい。でも、チームとしては、成長しない。停滞してしまう。違う因子の人たちが集まってチームを作る方がいい。
その時、どのようにしてチームを組成すればいいのかという問題が立ちはだかる。チームメンバーを変更する時に、「拡散性が二人いると混乱するから、部署異動です」と言われると、FFS理論を理解していても傷つく。それよりも「日々人が二人いると、どちらも動きにくい。あの部署には日々人がいないから、あの部署で存分に暴れてくれ」と言われる方が、自分がなぜその部署に馴染まなかったのかが理解できるし、新しい場所で活躍するイメージが湧く。FFS理論の個別の因子の特徴を暗記するよりも、『宇宙兄弟』の各キャラクターの特徴を覚えて、理解する方が楽しいし、分かりやすい。
FFS理論は、他者理解だけでなく、自己理解にも役立つ。チームビルディングが、本当に成功する鍵は、チームメンバーの全員の自己理解が進むことと言えるかもしれない。
僕は去年40歳を迎え、不惑となった。不惑とは、悟りを開くことや、惑わなくなることではない。そうではなく、自分とはこのような人間なのかと、自己理解をし、ある種の諦めを持って、惑わなくなることではないかと僕は考えている。
40歳に到るまで、様々なビジネス本を読み、他人の成功譚を聞き、それを真似たりしていた。それで迷走してしまうのは、自分と全く違う因子の人の成功例を試そうとする時だ。
自分だったら、どのように成功するのかのイメージがないまま、他人の成功例を真似ると失敗する。
『宇宙兄弟』で自分と似た因子の人を見つける。そして、その人を真似る。さらに、その人をサポートしたキャラクターと同じような因子の人たちを身の回りで見つけていく。気がつくと六太たちが成し遂げたような成功を、チームで手に入れることができると思う。
ぜひ、この本をきっかけに、自分の人生という物語で、自分の能力を活かして活躍する方法をみつけてほしい。

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株式会社ヒューマンロジック研究所 代表取締役

古野 俊幸(ふるの・としゆき)

関西大学経済学部卒。
新聞社、フリーのジャーナリストなどを経て、1994年、FFS理論を活用した最適組織編成・開発支援のコンサルティング会社・CDIヒューマンロジックを設立。
CDIヒューマンロジックのホールディングカンパニーとして、1997年に株式会社イン タービジョンを設立し取締役に就任。2004年4月からインタービジョンの代表取締役に就任。その後、社名変更を経て、現職。
現在まで約600社以上の組織・人材の活性化支援をおこなっている。チーム分析及びチーム編成に携わったのは,40万人、約60,000チームであり、チームビルディング、チーム編成の第一人者である。

A 14  B 10  C 15  D 17  E 4

使命感、決断力をもって、有事に変革を推し進めることを得意とする。組織先導型。

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