FFS理論 詳細
FFS理論の基本マトリックス解説
FFS理論の5つの因子は、物質の状態変化と、開発者である小林惠智博士の専門分野のひとつであるストレス心理学の知見に基づき個性の構造を発見したもので、次の図のようなマトリックスで表すことが出来ます。

FFS理論では、この5因子そしてストレスの強弱で個々人が固有に持つ個別的特性(個性)を数値化します。
この5因子は、強弱の差こそあれ、どんな人にも普遍的に存在し、これらが組み合わされて性格を形成し、個性を決定しているのです。
概ね2〜3の因子がその人の特長を表します(最も強い因子が、最も強い影響)。そのため、人それぞれに「強みと弱み」があるのです。強みを活かし、弱みは仲間との関係で補う。だから編成が重要になるのです。
5因子について
自らを固定・強化しようとする力の源泉となる因子
いわゆる「価値観の強さ」に関係し、自分自身を維持・発展させるために、自分が今までの経験上、獲得してきた基準に合っているものを凝縮し、合っていないものを廃絶してしまう機能を持つ因子
B 受容因子(Receptive Factor)
自らの外部の状況を受け入れようとする力の源泉となる因子
「外部の状況」に対して無条件に受け入れる機能を持つ因子
養育的、肯定的、柔軟な行動の基
C 弁別因子(Discriminative Factor)
自らの内部・外部の状況を相反分別しようとする力の源泉となる因子
自分の置かれた状況や自分の心理状態などに関して、それが適性であるか不適正であるかを二分的に弁別する機能を持つ因子論理的、分析的、デジタル的な行動の基
D 拡散因子(Diffusible Factor)
自らを拡張・発展させようとする力の源泉となる因子
自分の現在の内的・外的な状態を維持しようとする時に、外部のエネルギ−を積極的に利用し、自らのものとしてしまう方法を選択させる機能を持つ因子
活動的、創造的、自主的な行動の基
E 保全因子(Preservative Factor)
自らを保全・維持しようとする力の源泉となる因子
自分の現在の内的・外的な状態を維持しようとし、その際に自分のエネルギーの損失が最も少なくてすむ方法を選択させる機能を持つ因子
協調的、順応的、几帳面な行動の基
ストレスについて
一般にストレスという言葉は、精神的、肉体的な疲労などのため、はっきりした原因もないのに体がだるかったり、不機嫌になったりする状態を指して使われていますが、実際には、ストレスは人体や組織に対して内外から加えられる刺激の全体を意味しています。
このストレス刺激の原因となるものを「ストレッサー」と呼び、ストレスへの反応をストレス反応と呼びます。みなさんが普段「ストレス」と呼んでいるのは、実はこのストレス反応のことなのです。
例えば、ある人が借金で悩んでいたとすると、借金がストレッサーにあたり、それを返さねばならないという事実がストレス刺激になるのです。その結果、その人はあれこれと悩まねばなりませんが、その悩みがストレス反応ということになります。借金の悩みで緊張するために、その人の体内ではアドレナリンなどの神経刺激物質が分泌され、胃や腸などの活動が鈍ってしまい、胃が痛いというストレス症状が発生してしまいます。このような連鎖反応が、ストレスの基本的なシステムなのです。
では、ストレスは、人体や組織に悪いものなのかというと、決してそうではなく、良いストレスというのも存在しています。そもそもストレスは人体や組織に対する刺激なのです。刺激がなければ、人体も組織も興奮しない、つまりエネルギーを発動させられません。欲求がなければ、充足行動が動機付けられないように、刺激に対する反応が、行動をモチベートすると言えるでしょう。
活動のエネルギーを順調に引き出してくれるようなストレス、つまり良いストレスのことをユーストレス(eustress)と呼び、それに対して悪いストレスのことをディストレス(distress)と呼びます。
FFS理論の関係性測定法
クラスター分析図の例
下図が、チームのメンバー間の心理距離を多変量解析し、結果をデンドログラムで表示した例です。
左の図は、個性の同質の度合を表しています。メンバーが二つのグループに分断されており、チーム内で派閥化が起こる傾向にあることが示されています。
右の図では、メンバー間の補完関係を表しています。4つのペアでそれぞれは補完関係にありますが、チーム全体としては補完関係が成り立たないことを示しています。
理論提唱にあたっての検証事例の紹介
この図は、理論の検証の一つとして実施された、同質・補完・無作為それぞれのチーム編成において、生産性(アウトプット)を比較したものです。
スキルに差のないシステムエンジニアを集めて同じ課題を課し、FFS理論に基づいて組み合わせをした結果、次のような違いが表われました。
無作為に構成したチームでは、8人の編成で約5.8人分の成果しか達成されませんでした。
しかし、FFS理論を活用し、似た者同士を集めた同質型編成の場合は6人で約9.5人分、異質で補完関係が成立するメンバーで編成した場合は8人で約12人分の成果を達成しました。
すなわち、無作為に集めたチーム(通常の組織と考えてください)と、異質な補完関係が成立するチームでは、アウトプットに2倍もの差があったのです。
このように関係性を測定できれば、人それぞれの個別的特性をデータとして把握し、誰と誰を組み合わせれば、最適な生産性を生み出すチームになるかを科学的に作ることができるのです。
これまで人の感覚で行ってきたチーム編成を、「より高い成果を出す」という視点でできるようにしたのがこのFFS理論なのです。




