古野のブログ

優しくなれない俺は、いけてないマネジャー?

2018.10.15

先日、凝縮性の高い上司を持った受容性の高い部下から、相談がありました。
こんなやり取りでした。
「仕事は信頼しています。明確な指示を出してくれるし、相談するとすぐに決めてくれるのでとても仕事がやりやすいです。ただ、褒めてくれない。『ありがとう』とも言ってくれないので、本当に役に立っているのか、わからなくなることがあるのです」
「この前、その上司に『FFS理論勉強されましたよね。相手の個性に合わせるのが大事だと教わったんじゃないですか?』と質問したら、上司は『勉強したけど、俺、言えないんだよね』と苦笑していたんです」
以上のように説明をしてくれました。
そして、我々に対して「どう思いますか? 一言ぐらい、〝ありがとう〟〝役に立っているよ〟と言ってくれるだけでいいんです。それだけで嬉しくてやりがいを感じます」と心情を語ってくれたのです。

このように「凝縮性の高い人材への理解不足」が原因として発生する相談が、これまで結構ありました。実は凝縮性が高い人材で拡散性が高い(ADないしACD)は日本においては少数派となります。91類型では二つ合わせて1%も満たない出現率です。そのため、〝凝縮性の生態に慣れていない〟問題として凝縮性にスポットライトを当ててみたいと思います。特に「凝縮・上司」と「受容・部下」の関係性で発生する問題に対して、相互にアドバイスをしようと試みます。ちなみに、私も凝縮性が高いので、上司側の気持ちの代弁です(苦笑)。

まず受容性の高い部下側へ
凝縮性の特徴を説明するならば、〝そもそも褒めない〟のですよ。
理由1 依頼した仕事が滞りなく出来るのは当たり前(褒める理由がない)
理由2 組織として動いているので部下としての機能である(褒める理由がない)
理由3 少し違えば、指摘する(「良かった」と嘘は言えない)
ただ、「上手くいった」「感謝している」と思っていないのではありません。何も言わないのは、成果が出ていると認めた結果なんです。
「じゃあ、言えばいいんじゃないですか」と思うのは、相手を自然と気遣う受容性の高い人だからです。凝縮性の高い人は、そうは思わないのです。

従って、「求めては駄目」なんです。褒めてもらいたいなら、そんな上司とやりあっていることで感謝している他部門の方々から「何々さんのおかげで、あの面倒くさい奴と話しをしなくて済んだ」と感謝されることで〝役立っている〟実感を持つことです。

では、凝縮性の高い上司は、「何もしなくていいのか」となりますが、相手の個性を理解して、動機付けするのは上司の役目でもあります。ヒューマンマネジメントの向上には欠かせないスキルと考えてください
つまり「出来ないから」と逃げては駄目で、成熟度の高い凝縮性は「相手に合わせた対応をすることの正義」を握らなければならないのです。

サービス業大手で活躍しているYさんは凝縮性が第一因子です。彼に質問したところ、「拘りを固持して戦う相手は上層部や競合相手です。部下は守るべき対象なのです。褒めるべきところは褒めます」と答えてくれました。

十年近く前になると思います。大手企業で「コーチング流行り」があり、テレビで特集を組んで放送していました。
その一つのシーンですが、部下の机のそばに来て、腰を屈めて(場合により膝を就く)目線を合わせて、話を聞く等々。クラブの黒服じゃねーと思いつつ、「へぇー、そこまでやるの」と滑稽に感じたものでした。
ただ、欧米的にはエグゼクティブであるなら『スキルとして獲得しなさい』という強いメッセージなのでしょう。
前回のブログでも紹介しましたが、米国の平均値はACD。つまりAが高い人材も多く、日常的に慣れています。そんな環境の中で抜きん出るには、『部下の意見を尊重するスキル』が絶対条件になるのではないでしょうか。
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我々がアドバイスしているのは、相手の個性に合わせたコミュニケーションの取り方であり、ここまでのレベルを求めているわけではありません。
凝縮性の高い人は「最終的に責任を取る」という覚悟があり、部下は「守るべき対象」になっているはずです。だから〝日常的に褒めなくても構わないだろう〟と考えがちです。ある意味で真の優しさを持っているのです。
しかし、それでは伝わらないことを肝に銘じておいてください。
 「人を観て法を説け」という教訓もあります。古人に習い、実践していきませんか?
自らの戒めとしても…。

株式会社ヒューマンロジック研究所 代表取締役

古野 俊幸(ふるの・としゆき)

関西大学経済学部卒。
新聞社、フリーのジャーナリストなどを経て、1994年、FFS理論を活用した最適組織編成・開発支援のコンサルティング会社・CDIヒューマンロジックを設立。
CDIヒューマンロジックのホールディングカンパニーとして、1997年に株式会社イン タービジョンを設立し取締役に就任。2004年4月からインタービジョンの代表取締役に就任。その後、社名変更を経て、現職。
現在まで約600社以上の組織・人材の活性化支援をおこなっている。チーム分析及びチーム編成に携わったのは,40万人、約60,000チームであり、チームビルディング、チーム編成の第一人者である。

A 16  B 9  C 14  D 17  E 3 / DAC

使命感、決断力をもって、有事に変革を推し進めることを得意とする。組織先導型。

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